2021年5月ノルウェーの驚異の電動化率とフォードのEV化【首位はマスタング・マックE】

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こんばんは、@kojisaitojpです。いつもであれば正面から取り上げないテーマなのですが、今回は電動化率以外に取り上げたいことがあるので取り上げます。

ノルウェーの電動化率の凄まじさを取り上げてもアンチEVの方々からノルウェーは水力発電の事情などを持ち出していかに日本と違って再エネが向いてるのかについて言われて上で「ノルウェーと一緒にするな」と猛烈に叩かれるのが目に見えているので毎月の統計が出ても正面から取り上げることはしませんでした。

後で詳しく説明しますが、今回はもはや恒例となりつつある驚異の電動化率に加えてフォード・マスタングマックE」のヨーロッパ投入の影響も出ているのが今回取り上げる理由です。

そのようなノルウェーの2021年5月の販売台数やフォード「マスタング・マックE」について説明しながら、フランスやスウェーデンの電動化率にも触れてみます。

2021年5月ノルウェーの電動化率とフォード「マスタング・マックE」

2021年5月のノルウェー
まず最初は意地でもEVを認めたくない方々が見たくもないであろう電動化率ですが、BEVが60.4%、PHEVが22.9%で合計83.3%と先月に続き80%超えです。

とはいえこの驚異的な電動化率を誇るノルウェーでも2020年5月の電動化率は65.6%ですから、この一年で急激に伸びていることも事実です。

何よりディーゼル車が4.1%、ガソリン車が4.8%と合計でも10%に満たないというのは日本のユーザーからすると想像が出来ないかもしれませんが。

2021年5月のノルウェー

そして車種別の売り上げが特徴的で、何と今回首位に立ったのは納車が始まったばかりのフォード「マスタング・マックE」です。

フォード・マスタングマックE

他にも先日オランダの統計を見ながら紹介したシュコダ「エンヤック」が3位だったり、もうEVの世界では「古豪」に入るであろう日産「リーフ」もランクインしてたりとラインナップが新旧入り乱れており多彩なのはEV先進国らしい結果です。

シュコダのエンヤックについてはこちらの記事をご覧ください。

さて今日注目したいのはノルウェーで首位に立ったフォード「マスタング・マックE」で、私のブログでは解説したことがないので簡単に紹介します。

フォード「マスタング」は1964年からフォードが発売を続ける歴史のある車種で、現在7代目ですが初代から一貫してハイパフォーマンス仕様車が用意されており、フォードのみならずアメリカを代表するスポーツカーとして有名です。

先日はピックアップトラックの「F-150」がEV化された「F-150 lightening」が大人気だと紹介しましたが、実は「F-150」より一足先に「マスタング」をEV化した「マスタング・マックE」を昨年末からアメリカで販売し、2021年4月頃からヨーロッパでの納車をスタートさせています。

ヨーロッパでのフォードはEV化に対して以前から本気で、2030年を目処にヨーロッパで販売する車種は全てEV化することを既に発表します。

フォード・マスタングマックE

先日のバイデン大統領が「未来の自動車は電気だ」という演説を「F-150 Lightening」の試乗を行った後にフォードの工場で行ったことからアメリカ国内の自動車販売も全車EV化の発表がいずれ行われることでしょう。

フォードで演説するバイデン大統領

「マスタング・マックE」のスペックですが、搭載バッテリー容量が75.7kWh(スタンダードレンジ)と98.8kWh(エクステンディッドレンジとGT)、航続距離が338キロから483キロ、充電出力が115kWと150kW」とバッテリー容量の割に航続距離が出ないのがネックですが、

ただし価格設定は、4万2895ドル(約444.2万円)から、AWD+エクステンド・レンジ・バッテリー搭載バージョンは5万4700ドル(約566.5万円)からで、これはアメリカの税控除が入る前の金額ですから税控除が入るとかなりお得感があります。

フォード・マスタングマックE

価格面でのアドバンテージがあるので同サイズのSUVであるフォルクスワーゲンID.4やテスラ・モデルY、日産・アリア、ヒュンダイ・IONIQ5などと勝負になるのではと思います。

フォード・マスタングマックE

またアメリカ国内の話になりますが、フォードは自社のEVに対応する充電ステーションを、全米1万2500カ所に設置すると発表していたり、全米2100のディーラーにEV整備士を3500人配属することを明かしており、EVを本格的に展開するためのインフラ整備をしっかりと行っているのはテスラなどには出来ない旧来の自動車メーカーとしてのアドバンテージもあります。

2021年5月のフランスの電動化率と売れ筋のEVは?

2021年5月のフランス
現時点でドイツなどの統計が出ていないので主要国ではフランスを取り上げます。

BEVが8.2%、PHEVが9.1%で合計の電動化率が17.3%と2020年5月の7.45%、2019年5月の2.5%から右肩上がりに伸びています。

ガソリン車とディーゼル車の「内燃機関車」は2020年5月の82.7%から63.7%と継続して下落しています。

もちろんこの数字に対して「まだ半分以上占めてるんだからEVなんて普及していない」と言うのは自由ですが、毎月毎月シェアが落ちています。

フランスの場合は2030年から内燃機関車のパリ市内への乗り入れが禁止予定ですので、乗りたければもう一回ガソリン車という選択肢は否定されるものではありません。ゆえに「今回はガソリン車」という選択肢を選ぶフランス人も一定数いると思います。

ルノー・ZOE
プジョーe208

車種別は出ていませんが、本国プジョーの「e-208」とルノー「Zoe」が首位争い、続くのがルノーの「トゥインゴZE」フィアット「500e」と本国フランス勢とコンパクトカーが強いのは従来のガソリン車の時代と同じです。

ただしフォルクスワーゲンの台数も増えているようでID.4が本格的に納車され始めているのも影響しているようです。

2021年5月のスウェーデンの電動化率と売れ筋のEVは?

2021年5月のスウェーデンその2
さてノルウェーの隣のスウェーデンですが、BEVが16.2%、PHEVが22.8%で合計の電動化率が39.1%と2020年5月の21.5%からほぼ2倍です。

特に前年と比較してBEVの比率が5.2%から3倍以上と急激に伸びてきています。

この背景にあるのが私のブログでも取り上げたことですがスウェーデンが本国である「ボルボの全車EV化」です。2030年からは日本市場も含めて全ての市場で販売する車をEV(もちろんBEV)にする方向で、徐々にPHEVの生産を減らしてBEVに切り替えていくという方針が影響を与えてそうです。

2021年5月のスウェーデン

車種別で見るとフォルクスワーゲンのID.4、テスラ・モデル3、起亜のNiroEVが上位ですので、これはヨーロッパ諸国の一般的な傾向と同じです。

Volvo C40 Recharge

「Polestar」や「XC40-Recharge」もランクインしているのがスウェーデンらしいところです。

日本がノルウェーになれなくてもスウェーデンのようなEV化なら可能

プリウスPHV
最近だとヨーロッパの統計を取り上げても「ヨーロッパなんて所詮ハイブリッドで勝てないからEVに舵を切った」などと見下したような批判が飛んでくるのですが、全く参考にならないわけでもないです。

先ほどもスウェーデンを取り上げましたが、スウェーデンは元々BEVよりもPHEVの比率が高かった国です。

これはスウェーデンが本国であるボルボが昨年途中まではPHEVを中心に売っていた事情が影響しています。

BEVよりPHEVの方が好まれている国がBEVの比率を上げるきっかけになったのがボルボの「2030年までに全車EV化」の発表です。実際にその後BEVの「XC-40Recharge」が発売され、サブスク形式で話題を集めた「C-40」も今年秋には発売されます。

自国の有力メーカーが全車EV化を発表するというのはそのくらいのインパクト(アメリカでもフォードの「F-150 lightening」はバイデン大統領からのアシストも加わって予約殺到です)があります。

日本でもホンダが先日2040年までの全車EV化を発表しましたが、昨日軽自動車規格のEVの話題でも取り上げた日産・三菱辺りにも続いて欲しいところです。

仮にトヨタにEVを本気で売る気がなかったとしても徐々に外堀は埋まっていきます。

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