テスラが破壊するのは既存ディーラーだけじゃなく中古車店も?【既得権益の打破】
こんばんは、@kojisaitojpです。以前から「テスラ」が既存の自動車業界に変革をもたらすと言うことには何度も触れていますが、この世界にも波及します。
Model 3が中古EV市場を席巻する前夜だとする記事。
いやいやいや、そんな程度では済まないでしょう。中古Model 3がライバルメーカーのEV新車販売の「大きな壁」となって立ちはだかる流れを、自分はModel 3発売前から予言してます。これぞOTAの裏の怖さ😱https://t.co/VV1lw0fFIh— テスラ・ギガ・テキサス; Tesla Giga Texas ! (@horiaustin) April 7, 2021
これまでは既存の「ディーラー」や「部品メーカー」「整備工場」などが根本から変革を迫られるということを繰り返し述べてきましたが、今日のターゲットは「中古車販売店」です。
テスラのビジネスモデルが車業界を根本から変える?【営業不要・ディーラー不要・広告も不要】
今日は「テスラ社」の車の紹介ではなく「ビジネスモデル」について考えてみます。「営業」「ディーラー」「広告」という車メーカーが最も費用を投入する分野を一切カットしてネット販売のみに特化するという「コロナ禍」に最も適したビジネスモデル、車のみならず太陽光や蓄電池などエネルギー分野にも進出した個性的なモデルを紹介します。
【コスパ最悪・情弱から搾取】テスラが破壊する自動車業界の闇
今日は自動車業界に革命を起こしつつあるテスラについて語りたいと思います。電気自動車、しかも太陽光発電や蓄電池(バッテリー)の分野にまで進出し、車業界の常識に真っ向勝負を挑んでいるのがテスラですが、実はディーラーをほとんど置かないネット販売が中心という、流通面でも革命を起こす可能性を秘める会社です。
まだ電気自動車の普及が始まったばかりですのでどうしても新車の方に目が行くのは当然なのですが、今後中古車市場にも多くのEVが出てくることは確定事項です(日本では日産リーフや三菱アイミーブなどは既にかなり多くの中古車が市場に出ていますが)。
ですが先に結論を言ってしまうと、日本の中古車店の大半はまで電気自動車(BEV)に対する知識もなければ勉強しようともしないというのが現実です。おそらくこのまま滅びてしまう中古車店が多数出るのでは?と予想しています。
アメリカの話だけで終わるのではなく日本にも数年後には訪れる話ですので取り上げてみます。
目次
数年以内に中古車市場の大半が「テスラ・モデル3」になる?
冒頭で引用されている記事ではアメリカでは新型のモデル3とモデルYの発売が始まって、以前のモデル3が中古車として市場に出始めてることを取り上げています。
車に何年乗るかは個々人によって違うかと思いますが、アメリカで最初にモデル3の発売が始まったのが2017年ですから、早い人だと次に乗り換えるタイミングです。
2021 Q1をもってテスラモデル3&Yの合計が100万台を突破して約107万台、モデルS/Xが約51万台に。
S/3/X/Yの合計で158万台以上となり、2021年内には200万台を突破する見込み。世界中でこれだけのテスラ車が完全自動運転用のデータを集めていると考えると、驚異的ですね…🧐https://t.co/PoHMzrIPOV pic.twitter.com/ChseswNgeV
— 🌸八重さくら🌸 (@yaesakura2019) April 8, 2021
これは世界での販売台数ですが、今年の第一四半期で100万台のモデル3とモデルYが販売されています。
ということは当たり前ですが、数年後にはこのかなりの割合が(電気自動車は寿命が長いので乗り続ける人も増えるでしょうが)乗り換えで中古車市場に出てきます。
記事の中では現在アメリカの中古車市場全体の中古車の中に占める「テスラ・モデル3」の割合が昨年秋で3.5%、この6ヶ月だと6.5%と既に結構な割合を占めています。
記事の予想では数年後にはこの比率が40-50%くらいになるのでは?とのことです。
テスラ・モデル3の値下げが日本メーカーを駆逐する?【電気自動車のゲームチェンジ】
昨日も触れたテスラ・モデル3の値下げについてもう少し詳しく紹介します。具体的なモデル3のスペックや今回値下げされた価格を見ると「性能面」でも「価格面」でもテスラが日本メーカーを駆逐するような力をつけたように思えます。モデル3の紹介に加えて電気自動車購入時の補助金についてもどんな条件であれば補助金が可能か説明します。
実際に日本市場でも(要はアメリカ市場より販売台数が全然少ないはずの)以前の記事で「12週〜16週」だったモデル3の納期が「18週〜24週」、つまり4ヶ月半〜6ヶ月と更に伸びています。
日本市場でさえ既に月2000台行くのでは?と噂されるほどの台数の予約が入っているから当然と言えば当然ですが、これだけ大量に売れたモデル3が数年後には中古車市場に出てきます。
その時に既存の日本の中古車店が対応できるのか?という疑問が生じますが、私の予想だと大半の日本の中古車販売店はEV化には対応できず滅びるとの見解です。
次の項ではなぜ「このままだと日本の中古車店の大半がEV化に対応できず滅びるのか?」について説明します。
中古車市場のEV化によって始まる中古車販売店の淘汰
私が実際に客のふりをしていくつかの中古車販売店にEV(主にテスラ車・日産リーフ・三菱アイミーブ)の問い合わせをしてみてやりとりをした感想が以下のものです。
- ネット販売で安くする姿勢がない
- そもそも電気自動車の知識がない(販売面・整備面)
- テスラの認定中古車の価格設定も知らない
- そもそも店に充電器すらないお店が大半
私からすれば「やる気あるの?」と言いたくなるような惨状です。まぁ充電器すらないという時点でやる気を疑いますよね。「店に一台二台しかないEVのためにカネなんかかけたくない」というのが本音かもしれませんが、今後の普及を考えると目先しか見えないアホな店なんだなという印象を持ちます。
事業用の充電器設置は補助金が出て、ほぼ持ち出しなしでできるとか知らないのでしょうね。。。急速充電器と普通充電器を一基ずつでも設置すれば今までお店と縁がなかったEVのオーナーにお店を知ってもらう機会にもなるのに…と思いますが。
これだけでも「やる気なさそう」と思ってしまいますが、実際にお店とEVの話をするとこれが確信に近くなります。
ひどい中古車屋になると「このリーフはバッテリー何セグ残ってますか?」という質問にすら答えられなかったり(笑)
— saito koji@次の海外旅行の前にEV購入? (@kojisaitojp) April 9, 2021
コピペのように「年式走行距離の割に状態がいいです」とか言うんだけど、じゃあバッテリー12セグ残ってるんだろうな?と言ってやりたくなる(笑)
— saito koji@次の海外旅行の前にEV購入? (@kojisaitojp) April 9, 2021
まぁ一般の中古車店によく出てくるEVとなると日産リーフが最も多いのでリーフ特有の問題になりますが、年式や走行距離よりも「バッテリーが何セグ(MAXが12セグ)残っているか?」がEVとしての価値を左右します。
極端に言えば走行距離10万キロでバッテリーが11セグ残っているリーフと走行距離3万キロでバッテリーが9セグしか残っていないリーフなら前者の方が買いです。
実際に走行した距離はタイヤ以外の消耗品(例えばブレーキパッドなど)がほとんど減らないのが電気自動車の特徴ですので無視してもいいのでは?というのが現実です。
ですが相変わらず中古車としての価値が「年式・走行距離・傷凹み」で決められてしまい、リーフでは最も重要なバッテリーの状態に関する記述のない(個別に質問しても回答がない)中古車店が多過ぎです。
このような指摘をすると「リーフ1車種にそんなに構ってられねぇんだよ」的に逆ギレしたお店もありましたが、それであればEVを扱わなければ良い話だと思うのは私だけでしょうか?
そして「EVに対して無知」なのは価格に最も反映されます。
これは先ほど言及した「テスラ・モデル3」の価格ですが、現在の新車価格はスタンダードレンジプラスが434万、ロングレンジが509万です。
で、こちらでも何度か話題にした環境省からの補助金が80万円ですので引くとそれぞれ354万円、429万円になります(東京都では更に60万円下がります)。
「新車より高い中古車を誰が買うんだろう?」と思いませんか?
補助金で中古車より安く新車が買えるのを知らない情弱狙いの確信犯なのかそれともテスラは高級車だからふっかけても買う客いると勘違いしてるのか。
— saito koji@次の海外旅行の前にEV購入? (@kojisaitojp) April 8, 2021
「モデル3の納車まで時間がかかるのを見越したプレミア価格」などと言っている人もネット上にいましたが、心配しなくてもモデル3の納期がほんの数週だった頃から価格は変わってません。私は自分のビジネスに備えて以前から価格をチェックしてますので「何で新車より高く設定しちゃうんだろ?」と以前から思ってました。
おそらく「補助金で中古車より安く新車が買えるのを知らない情弱狙いの確信犯」ですらなく「テスラは高級車だからふっかけても買う客いると勘違い」の方だと思います。
モデルSの方では更に笑える結果が出ています。
テスラの認定中古車と一般の中古車店の価格を比較するとテスラの認定中古車の方が安いという状態も実はよく見られる現象です。
ついているかついていないかで価格が100万円近く変動するはずの「自動運転機能」については搭載しているかどうかすら把握していない中古車店が大半という残念な状況です。
これでは電気自動車(BEV)に対するやる気を疑われても仕方ない状況です。
「古臭い」価値観の中古車屋は淘汰されて当然
ちょっと冷静に考えたら「これおかしいよね?」ということを平気でやってくるのがこれまでの中古車業界でした。
それも我々一般ユーザーには中がわからない「エンジン(とそれに付随する冷却系や吸気系など)」というブラックボックスがあったからです。
例えば「このままじゃ車検に通りませんよ」というのが最もありがちな「嘘」があります。
車屋がユーザーを脅すときに使う決まり文句ですが、ユーザー車検をやったことのある人であればこの言葉は9割方嘘であることがわかりますよね?
確かにドライブシャフトブーツが破れていたらアウト(私も過去に一回ゴルフのユーザー車検で引っかかりました)などの「ここはダメ」というポイントがあるのですが、それ以外ははっきり言ってテキトーです。
自分でユーザー車検をやると分かるのですが後日「車検に合格したのは安全性を保証したことにはならないので整備行ってください」的な文書が届きます。
当局も自覚はあるようです(笑)。
例えば車検時によく言われる「ブレーキパッドの交換」などがその典型ですが、極端に言えば1ミリでもパッドが残っていれば車検には合格します(正確には残量ゼロでローター削りながらでも止まればOK)。
もちろんそれは極端な例ですが、であれば「車検は通るけどすぐにパッドがなくなって危ないので交換をオススメします」のように事実を伝えれば済むのに平気で嘘をつくのがディーラーや街中の中古車店のどちらでも当たり前のように見られます。
今のブレーキパッドの例は確かに危ないのですぐに交換した方が良いのですが、車検において実際には見られない項目や「そこにお金かけて整備する必要なくないか?」的なものまでどさくさに紛れて整備して車検代何十万という請求をしてくる、嫌がると「車検通らないですよ」と嘘をついて脅すのがこれまでのディーラーや中古車販売店のやり方でした。
「でした」ではなく今でもやってますけど(笑)。
「この整備要らないから費用削ってくれ」的なことを言うと露骨に嫌がります。
まぁEV化が進んで「エンジン」という存在が消滅すれば不透明な費用を請求する「ぼったくり」も難しくなるでしょうから、この業界が電気自動車を嫌がるのはある意味当然かもしれませんけど。
整備で稼げないのなら他に稼ぐ手段を考える、いつまでも店舗に来店させて対面販売という形式もオンライン販売に切り替えて経費を節減するなど策を講じない中古車販売店はEV化に対応できずに淘汰されることでしょう。
でもそれは決して悪いことではないと思います。
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