ヒュンダイ「Ioniq5」が電気自動車(BEV)戦線に登場【モデルY・ID.4・アリアとガチバトル】
おはようございます、@kojisaitojpです。偏見に凝り固まった多くの日本人には関心がなかったかもしれませんが、昨日は大事なワールドプレミアが開催されました。
Power your world.#ヒョンデ IONIQ 5 ワールドプレミアが公開されました。
IONIQ 5は、ヒョンデ初の #EV 専用プラットフォームのE-GMPを適用した #電気自動車 で、様々なライフスタイルをご提供します。
ヒョンデIONIQ 5をぜひご覧ください。https://t.co/unAnxbbwld#Hyundai #HyundaiEV #IONIQ5— Hyundai Japan (@Hyundai_japan) February 23, 2021
このヒュンダイ「Ioniq5」は以前も記事を書きましたがあの時はリーク情報を元に書いたので、実際のスペックとどのくらい違うのかは気になるところでした。
ちなみに「ヒョンデ」というのはHyundaiの韓国語読みです。我々には英語読みの「ヒュンダイ」の方が馴染みがあるので私は「ヒュンダイ」と表記しますが。
ヒュンダイ「Ioniq5」が驚異のスペック?【電気自動車も韓国に負ける?】
ヒュンダイが2021年に販売予定の「Iconiq5」の情報がリークされましたが、航続距離、急速充電などスペック面でフォルクワーゲンや日産を凌駕するほどのハイスペックです。スマホにしろ液晶テレビにしろ韓国メーカーとの競争に負けた日本企業は電気自動車でも負けるのでしょうか?今のやる気のない状況を見ると否定できない危機です。
しかし先に結論を言ってしまうと、リークされた情報同様に我々の期待に応えるスペックの電気自動車を発売してくるようです。
正直言ってマツダ「MX-30」辺りを論外に追いやってしまいます(笑)。
それどころか「テスラ・モデルY」「フォルクスワーゲンID.4」「日産アリア」辺りの同セグメントの電気自動車と大激戦になりそうな充実のスペックを持つヒュンダイの「Ioniq5」について今日は解説してみます。
目次
世界トップクラスのスペックをひっさげて登場のヒュンダイ「Ioniq5」
さて本題ですが昨日のワールドプレミアでヒュンダイ「Ioniq5」が発表されました。
まず内外装についてですが、電気自動車らしくフロントグリルのない構造で、一見ハッチバック車のようにも見えますが、ハッチバックではなくCUV(クロスオーバーユーティリティヴィークル)になります。
SUVとCUVは構造で区別でき、SUV専用のプラットフォームを使用せず、乗用車と同じ構造で作られているのが「CUV」になります。
ヒュンダイ「Ioniq5」はヒュンダイ・起亜グループが電気自動車専用に開発した「E-GMP」プラットホームを使用した第一弾の車種になります。今後ヒュンダイ・起亜からリリースされる電気自動車もこのプラットホームを使用します。
最大の特徴は3mにも及ぶ長いホイールベースで、4680mmの全長でありながら、5メートル近い全長の「テスラ・モデルS」よりも長いホイールベースになります。
このことが何をもたらすかというと、ヒュンダイが「リビングスペース」と呼ぶフラットな、電気自動車だからこそ可能になる広々とした開放感のある室内です。
従来の自動車では考えられなかったカスタマイズが可能になり、例えば運転席と助手席の間のコンソールを後ろに押せば運転席と助手席の間の障害物が無くなりますし、後部座席を前方へ持ってくることも可能など、「移動式コンソール」によって自分の部屋のように自由に車内空間を作れるという点が最大の特徴です。
ちなみにコンソールはスマホのワイヤレス充電が可能なようで、これを後部座席とも共有できます。
日産アリアがどことなく「和」のテイストを感じさせる室内だったのに対し、ヒュンダイは「リビングルーム」という名の洋室で勝負してきました。
また「リビングルーム」の名に相応しくインフォテイメントシステムも特徴的で、「ホンダe」を彷彿とさせるような巨大な液晶画面のタッチスクリーンが搭載されており、エンタメも充実しています。
もちろんドライバーに対する運転支援機能も充実しており「自動運転レベル2(高速道路など限られた条件下でレーンチェンジなども自動でやってくれるハンズフリー運転が可能な水準)」に対応してます。
室内空間の充実度は、将来の完全自動運転も見据えたものになっています。
次に走りを含めた電気自動車としての側面ですが、搭載バッテリー容量が「58kWhと72.6kWh(北米仕様は77.4kWh)」の二種類、また駆動方式も「AWD」と「RWD」の二種類が用意されており、合計四通りの組み合わせが可能です。
バッテリー容量の小さい方を「スタンダードレンジ」、大きい方を「ロングレンジ」と呼ぶ点はテスラを意識した構成です。
航続距離は「ロングレンジ」の方が470-480キロ(スタンダードは記載なし)、0-100キロの加速が5.2秒〜8.5秒とこのセグメントの他社の電気自動車と同等以上の性能です。
また「V2L(Vehicle to Load)」と呼ばれるシステムにより、車を電力源として活用することも可能になっており、キャンプなどのアウトドアで電源として使うことも可能ですし、先日のアメリカ・テキサス州の停電など災害の際には避難場所として使えるだけではなく、停電した家に電力を供給することも可能です。
価格については40000ドル〜50000万ドルを想定しており、価格という面でも同サイズの「テスラ・モデルY」「フォルクスワーゲンID.4」「日産アリア」などより安く、価格面の武器もヒュンダイがテスラやフォルクスワーゲンと互角以上の戦いができるように後押ししてくれます。
なお発売開始は「2021年のファーストハーフ」と出ていますので6月頃までにはスタートできそうです。
「テスラ・モデルY」「フォルクスワーゲンID.4」「日産アリア」と「ヒュンダイ・Ioniq5」がガチバトルへ?
同サイズの「テスラ・モデルY」「フォルクスワーゲンID.4」「日産アリア」と比較しても互角以上に戦えるのが「ヒュンダイ・Ioniq5」なのですが、これらの四車種にはそれぞれ違った分野での長所があります。
ですので万人に「〜がおすすめだよ」と断言するのが難しく、個々人の使用用途によって向いている車が様々に変化します。
これらを取り上げて「〜な人はモデルYがおすすめ」「〜な人には日産アリアをおすすめ」と個々人による嗜好や行動パターンによって理想となるパターンが違いますので、後日まとめてみたいと思います。
その中で例えば一つだけ注意点を挙げておくと、「ヒュンダイ・Ioniq5」は急速充電が360kWhにまで対応可能となっており、10-80%の急速充電がたったの18分、100キロ分の充電なら5分でいけるという脅威のスペックを持っています。
これまで最速だったポルシェが10%-80%が22分だったので実現すれば最速です。
そはいえそれはデメリットになり得る側面もあり、360kWhの最大出力に耐えられる充電器がほとんど導入されていないため、従来から設置されている充電器からしか充電ができません。
特に日本市場ではそれが顕著で、日本独自の急速充電規格「チャデモ」に合わせて最大50kWhに出力を制限している輸入車メーカーが多いのが気がかりです。
ヒュンダイは日本市場への再参入も表明していますので、この「Ioniq5」を投入する際にはメーカーの推奨値に耐えられる充電網を自社で整備してくれることを期待します。
実際にポルシェは自社で超高速の急速充電を設置していますし。
この点がスーパーチャージャーが日本国内だとまだ不足しているものの、アメリカや中国などではスーパーチャージャーが至る所にあるというテスラ社の大きなアドバンテージにどのくらいまで迫れるのかは注目です。
今日は「Ioniq5」の紹介が中心でしたので具体的な比較検討は別な機会にやります。
また「テスラ・モデルY」「フォルクスワーゲンID.4」「日産アリア」「ヒュンダイ・Ioniq5」のスペックは電気自動車だけではなく、同じセグメントのガソリン車であるマツダ「CX-5」やトヨタ「RAV4」、ホンダ「CR-V」などのシェアも食えるだけのポテンシャルを持っていますので、これについても次回以降で触れたいと思います。
「スマホのサムソン」同様にEVもヒュンダイに蹴散らされるのは日本の自動車メーカー?
不思議なことに韓国や中国のメーカーが新しい商品を出すと「この部分はホンダのパクリ」「この部分はテスラのパクリ」のようにあたかも先行するメーカーの真似をすることが悪いことであるかのように言われます。
ですが様々な部分を様々なメーカーの先行する作品からヒントを得て組み合わせたものはもう立派な「オリジナル」です。
どこか一社を丸パクリしたのであれば当然問題ではありますが。
では日本メーカーが生み出しているEVがオリジナリティ溢れる作品なのでしょうか?
「電気自動車でも人馬一体のフィーリング」をうたったSUVがIoniq5の半分以下の航続距離です。
あるメディアでは「バッテリーの生産、動力源となる電力の発電方式まで含めて環境に考慮した結果、決定されたスペックである」とあえて航続距離を短くしたと言ってますが、「大容量バッテリーを調達できなかった」だけじゃないでしょうか?
この航続距離では本日取り上げたIoniq5、モデルY、ID.4、アリアとは全く勝負になりません。
イーロンマスクは「250マイル以下のEVはEVと認めない」とモデルYのスタンダードレンジをホームページから下げてますよ、と言ってやりたいところです。
次に世界の自動車販売台数世界一に返り咲いたメーカーの「オリジナリティ溢れる創作」がこれです(笑)。
「航続距離に限界があるEVはこのような超小型モビリティこそが理想なんだ」的な記事をいくつか見かけましたが、電気自動車(BEV)発売のリリースに「PHEVの方が性能いいけどね」という嫌味な一言をわざわざオフィシャルホームページに書く会社ですから「本気でEV作る気ないんじゃないの?」と言ってやりたくなります。
私は元々自動車業界に何の縁もなく、趣味でルノー、シトロエン、ジャガー、フォルクスワーゲンと様々な輸入車を乗り続けてきた人間ですので、日本の自動車メーカーに対して「忖度」するようなコメントは一切しません。
この立場で日本メーカーの電気自動車を見ると日産と三菱以外のメーカーのEVは「???」と感じてしまうものしかありません。
もういい加減に「日本メーカーだからなるべくいいところを探して褒める」「輸入車はなるべく欠点を探して価値を貶める」ような目線で評価して日本メーカーを甘やかす段階ではないように思えます。
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