2021年10月のヨーロッパから感じる本格的なEV化とは?【テスラ抜きでこのEV化率】
こんばんは、@kojisaitojpです。またしばらく更新が途絶えてしまいました。
完全に個人的都合なのですが、今月ヨーロッパへ行く予定を立てていた関係で片付けなければいけない仕事が山積みでした。。。
ですがようやく片付いてきましたので更新を再開します。
この間にも世界中のEVを巡る様々なニュースが飛び交い「ちょっと記事書かないだけでこれだけネタが溜まるのか」と焦ってしましたが、少しずつです溜まったネタを消化していきたいと思います。
テスラが全く納車されない10月も結局このEV化率。
Norway Remains Near 90% Plugin EV Share, Even With Tesla Off Duty In October https://t.co/99LKiUWkU0 @cleantechnicaより— saito koji@次の海外旅行の前にEV購入? (@kojisaitojp) November 3, 2021
テスラの基本的な方針により納車は4半期末(3月、6月、9月、12月)に集中させる傾向があり、その翌月つまり1月、4月、7月、10月はテスラが納車されない関係からヨーロッパ各国のEV化率が若干落ちるのが通例でした。
このことについては以前も「テスラが納車されない月にだけ喜ぶアンチEV」とネタにしたことがありますけど。
というわけで本日は毎月恒例のヨーロッパ各国の新車販売状況から、現時点でのEV化率について分析します。
目次
2021年10月ノルウェーのEV化率は?
ノルウェーが世界でトップのEV化率を誇ることはもうEV愛好家の間では「常識」かと多いますが、2021年10月はBEVが78.1%、PHEVが19.2%で、合計のEV化率が89.3%と前年同月の79.1%からアップしています。
先月のヨーロッパの統計をまとめた記事でも言いましたが2021年8月はBEVが77.9%、PHEVが13.9%で合計のEV化率が91.5%と過去最高でした。
先月と比べて「下がってるだろ!もうEVも限界だ!」と叫ぶ人がわいてきそうですが、「EVがピークアウトした」と思いたい方は次の数字を見てから言うべきです。
ランキングにテスラが全く入ってないことにお気づきでしょうか?
後で出すイギリスのように納車時期によって違いは出ますが、ノルウェーに関しては2021年10月はテスラが全く納車されていないようです。
反対に考えれば「テスラ抜きで90%近いEV化率なの?」という事実を脅威に感じますよね。
7-9月の3ヶ月間の新車販売ランキングでトップに立ったモデルYはこの前も指摘したように8月と9月だけの数字で、通年でぶっちぎりの売り上げを誇るモデル3と合わせたテスラの台数は驚異的です。
反対にディーゼル車は2.6%、ガソリン車は3.7%と合計で経ったの6.3%、同じく内燃機関車に分類されるハイブリッド車の4.4%を足しても10%を割り込む驚異の数字が出ています。
まぁ先月より2%くらい増えている数字を取り出して「ノルウェーでもようやくEVの限界に気づき始めたんだ」と叫びたければ勝手に叫べばいいと思いますけど(笑)。
それより再度引用しますが、表の真ん中辺に「Mazda MX-30」というのが見えますでしょうか? 販売台数206台は日本での月間10台にも満たない台数の数十倍、ランキングの中でもついこの前まで首位を争っていたフォードの「マスタング マックE」に迫る勢いです。
日系自動車メーカー海外国内販売比率(2019)
がこれです。
北米・中国が主力で国内は二の次、三の次です。https://t.co/dys4ec3y0u pic.twitter.com/nT2E4jIENK— 松野博 Hiroshi Matsuno (@stonecold2000) August 24, 2021
こちらは先月も引用したものですが、日本メーカーの地域別の売り上げ比率が一覧になっています。
注目して欲しいのはマツダの部分で、ヨーロッパの比率が19%と日本メーカーの中では最大で、よくアンチEVの方々の「ヨーロッパなんて日本車が売れない地域だから無視してもいい」「日本車が売れない地域のルールに合わせてEVを作る必要はない」などの「できない理由」はマツダには当てはまらないでしょう。
クリーンディーゼルでヨーロッパでも一定の人気を得ていた実績が「マツダがEV出すなら試しに買ってみようか」と今回のノルウェーや以前ネタにしたスウェーデンやオランダに反映されているということです。
私から見れば「MX-30のような明らかな欠陥EVでさえこのくらい売れるんだからマトモなEVを開発して販売すれば結構いい勝負になるんじゃないの?」と思うところですが、依然としてマツダからそういう声が聴かれないのが残念なところです。
せっかく築いたヨーロッパでの地位をEV化によって放棄するのでしょうか?
先月はテスラが納車しなかったので色々興味深いメーカーが上位に入っており、例えば中国メーカーのBYDがヨーロッパで最初に発売した「TANG」や私が以前から「このEVは超ハイレベル」と絶賛しているヒュンダイ(ヒョンデ)「IONIQ5」なども上位に入っています。
ヒュンダイ(ヒョンデ)の「IONIQ5」については過去に何度も紹介記事を書いていますのでこちらもご参照ください。
上位にランクインしている日本メーカーの車種が日産「リーフ」と先ほど冷やかしで取り上げたマツダ「MX-30」しかないという残念な現実がノルウェーではっきりとわかってしまいます。
2021年10月フランスのEV化率は?
2021年10月のフランスではBEVが13.1%、PHEVが9.7%で合計が22.9%と、BEV12.7%、PHEV8.8%で合計21.5%だった9月の数字を超えてきました。
前年同月で見ると2倍近く伸びているわけですが、フランスでも先ほどのノルウェー同様にテスラはほぼ納車していない月になります。
テスラ抜きでもこの数字を出すようになり、一方で内燃機関車(ガソリン車・ディーゼル車)の比率は55.3%で過去最低だった先月の数字より更に最低を更新しました。
車種別の統計はまだ出ていませんが、推定値で上位がルノー・ZOE、ダチア・スプリング、フォルクスワーゲン・ID.3とコンパクトカーの好きなフランスらしい順位です。
新顔としては以前取り上げたことがありますが、ルーマニアのダチア(ルノー傘下)の「Spring Electric」がランクインしているのが特徴的です。
ちなみに納車がないとは言え遅れてフランスに入国したものはあるようで、テスラ「モデル3」もトップ5には入ってるようです。
フランスに関しては2021年の7月に若干EV化率が下がった際に、「フランス人はEVの欠点がわかってきたからPHEVの方が売れてるんだ」とヤフコメなどで叫んでる方々がいましたがエアポケットのような減少は1ヶ月で終わっています。
それどころかテスラが本気で納車しない月でもこの数字を叩き出すようになったことに脅威を感じないのですから意味不明です。
9月までの車種別ランキングではテスラ「モデル3」が首位、これに続くのがルノー「ZOE」、プジョー「e-208」などが続いています。
2021年10月のイギリスのEV化率は?
イギリスではBEVが15.2%、PHEVが7.9%で合計のEV化率が23.1%と、前月のBEV15.2%、PHEV6.4%で合計21.6%から微増で、前年同月比で2倍以上の増加です。
2025年からのノルウェーに次ぐスピードで「2030年から内燃機関車の販売禁止(ハイブリッド車は2035年から禁止)」という厳しい規制を打ち出しているイギリスなのですから当然と言えば当然ですが。
ちなみに10月からはこんな規制も始まっています。
基準を満たさないガソリン車・ディーゼル車でロンドンに乗り入れると罰金の制度スタート。これが世界のトレンドなんだけど。
London Drivers Ditch Diesel As New ULEV Rules Kick In – https://t.co/Jt6rdaXcTP— saito koji@次の海外旅行の前にEV購入? (@kojisaitojp) October 26, 2021
ロンドン市内に一定の排ガス基準以下のガソリン車・ディーゼル車を乗り入れると罰金という制度がスタートしたようで、UberなどのライドシェアやタクシーもどんどんEVに切り替わっているようです。
私も今月ヨーロッパに行った際にはロンドンに1泊するので実際にどのくらいEVが増えているのかはこの目で見てこようと思います。
車種別の売上については具体的なものは出ていませんが、メーカー別のシェアは出ており、ヨーロッパの中で数少ないテスラの納車が9月に間に合わなかた国のようで、テスラが17.71%とぶっちぎりの首位、これにフォルクスワーゲンとヒュンダイ(ヒョンデ)が続いています。
2021年10月のドイツのEV化率は?
ドイツではBEVが17.1%、PHEVが12.3%で合計のEV化率が30.4%とついに30%を突破してきました。
ドイツもフランス同様に7月に若干EV化率が下がった際にアンチEVの方々が「ドイツ人はEVの限界に気づき始めた」とヤフコメなどではしゃいでいたのですが(笑)。
ドイツの場合はテスラの納車が遅れたという事実はないようですので、車種別のランキングはまだ出ていませんがテスラ抜きでもEV化率が下がらなくなっています。
これに対しガソリン車・ディーゼル車を合わせた内燃機関車の比率が50.5%で、こちらも過去最低の数字だった2021年9月より更にダウンしています。
少し遅れて2021年9月の車種別の売上台数の統計は出ており、「テスラ・モデル3」「フォルクスワーゲン・ID.3」「フォルクスワーゲン・e-UP!」がトップ3です。
日本に次ぐ世界第4位の自動車販売台数を誇り、フォルクスワーゲンやBMW、メルセデス、アウディ、ポルシェなど世界レベルの自動車メーカーがいるドイツでも2021年に入り本格的な上昇カーブに入っていますが、テスラのギガベルリンになかなか操業の許可が出ないのはドイツの自動車メーカーからの意地悪なのでしょうか?
25)Gigaベルリンの稼働開始が遅れる理由は地元住民の異議に対応するため、11/22まで協議が延長。
その後再度異議申立の機会が与えられ、承認の判断が予定されています👀
(日本へのモデルY納車も遅れる?)
Tesla Giga Berlin Launch Delayed, Sales No Earlier Than In 2022 https://t.co/UjSA1O9ZGT— 🌸八重 さくら🌸 (@yaesakura2019) October 21, 2021
ここまでの数字は中国やアメリカで生産されたテスラ車を輸入(だから高い)していての数字ですが、ベルリン工場が稼働すればヨーロッパでのテスラ車の販売価格も大幅に下がり、台数を一気に伸ばしてくることがドイツの自動車メーカーには脅威なのもあり揚げ足取りのように邪魔が入っているようです。
フランス・ドイツ・イギリスのEV化状況を私も調査(?)に行きます。
最後は私の個人的な予定をEVに関連づけてお話しします。
ズバリ言ってしまうと今月の後半にヨーロッパへ、具体的にはフランス・イギリス・ドイツへ行ってきます。
それもあって仕事を片付けたりする必要があって忙しくてブログの更新をサボってしまいましたが。。。
まぁ行く目的は「ヨーロッパのEV化状況を見にいく」などとエラソーに言っておいてただの旅行ですけど(笑)。フォルクスワーゲンの本拠地ヴォルフスブルクの博物館「アウトシュタット」に行くのは間違いなくブログのネタ収集と将来EVでビジネスをやるためですが。
できることならかっこよく「ヨーロッパ行って自動車メーカーと商談してくる」とか言ってみたかったですが、そんなツテもありません(笑)。
実は私のスケジュールで来年もヨーロッパに行くことは確定しています。
Perfumeがスペイン音楽フェス「Primavera Sound 2022」に出演
2022年6月にスペインで開催される音楽フェス「Primavera Sound 2022」に、Perfumeが出演することが発表された。
Perfumeが2022年6月にスペイン・バルセロナで開催される音楽フェスに出演することが決まっており、もちろん私も既にチケットを取ってあります。
再度新型コロナウイルスの感染が爆発してフェスが中止になりでもしない限り、2022年6月に私がバルセロナに滞在することは確定しています。
できることならこの時にノルウェーが日本人の入国を認めてくれるようになればノルウェーに行けるのに…と思うところです。
しかも修行僧ならみんな知ってることなんだけどオスロとかストックホルム発着の航空券は安いので逆向きの航空券を再度発行するチャンス(笑)。
— saito koji@次の海外旅行の前にEV購入? (@kojisaitojp) November 4, 2021
新型コロナウイルスの影響によりPV数が全く見込めないのもあり海外旅行ネタの記事をブログにほとんど書いてませんでしたが、私は飛行機にしろホテルにしろ「修行僧」とネット上で言われる旅行マニアです。
実はEVのことを知る以前からノルウェーか隣のスウェーデン発着の航空券が格安(物価が高い国なのに謎ですが)なのを知っており、いつかは試してみたいと思ったいたので来年は絶好のチャンスかもしれません。
今回に関してはノルウェーに入国そのものができないのでカタール航空でパリに降りて、パリからロンドンとフォルクスワーゲンのアウトシュタットがあるヴォルフスブルクへ行く予定です。
某人気YouTuberが「ノルウェーに行く」と宣言してますが、EVのみならず自分のライフワークでもある旅行の分野で負けるわけにはいかないので「俺が先にノルウェーに上陸しないと」とくだらない対抗心も一応ありますので。
ノルウェー発着の航空券を常に用意しておいて「俺はいつでもノルウェーに行けるぜ」という状態にしておけば多少のマウント取りにはなるでしょうから(笑)。
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