こんにちは、@kojisaitojpです。先程の記事でタクシー業界という既得権益にしがみつく古臭い業界について書きましたが、この業界も同じくらい古臭い業界です。
#電気自動車 が火力発電の電気を使ってるからエコじゃないとか言ってる人たちって、電気自動車が充電をヤメたら、その分の発電量が減って火力発電所の煙やCO2が薄くなるとか本気で考えてんだろうか?
どうせ捨てられる端材を材料にした割り箸を、環境破壊とか言い掛かりつけてる連中とそっくり。— 千々和 幸俊@「バビロン5」第4シーズン以降ソフトまだ? (@StarfuryMk1) December 1, 2020
確かに電気自動車に関しては実はエコでも何でもないと力説している人は多いです。
「電気自動車に充電するための電力が火力発電だから〜」というのがお決まりのパターンです。それを言い出すと「じゃあハイブリッド車作るのにも環境に負荷がかかるんだけど」と永久に終わらない議論になるので環境問題についてあれこれ言うつもりはありません。
それよりも問題は「日本以外のほとんどの国が電気自動車(EV)にシフトしており、ハイブリッドに固執しているのは日本だけ」という世界の現実です。
英12%、仏11%、独17%、ノルウェー79%、オランダ28%とヨーロッパでは急速に電気自動車化が進んでいますが、日本ではまだ1%未満です。
世界では一番早いノルウェーが2025年、イギリスが2030年、中国が2035年からガソリン車の販売を禁止するなど世界の多くの国でEV化の動きが進んでいるのが現実です。
アメリカでも大統領選挙がこのまま決まってバイデン政権が誕生すると「クリーンエネルギー革命」という政策を唱えていることからもEV化に一気に舵を切ってくる可能性が高いです。「エコはカネにならない」という批判に対しても、ガソリン車からEVへのシフトなどで、新たに100万人分の雇用を創出すると言っていることからもヨーロッパや中国に追随する姿勢を見せています。
そんな世界の流れなのに日本ではなぜ電気自動車の普及が進まないのかについて考えてみます、
電気自動車(EV)を批判する人が何者なのか?
先日の記事でシェアライドについて「白タクだ・違法だ」とイキリ立つ方々について述べたと同じで「誰がどういう立場・背景から語っているのか?」を理解した上でニュースを見ないと、おかしな方向に誘導されるということです。
情報を発信している人間が「どんな立場で誰の利害を背負って発言しているのか?」という視点から考えることはとても重要です。
例えば自動車ジャーナリストという職業で考えてみると、自動車の評論家をやっている以上発売前の自動車などをメーカーに特別に試乗させてもらって記事を書いたりします。
つまり自動車メーカーから便宜を図ってもらえる立場ということです。日本の自動車メーカーが本腰を入れていない電気自動車を褒める記事は書きにくいという立場ですよね。
もし日本の自動車メーカーを批判するような記事を書くと、次からは発売前の車の試乗や今後の新車の発売情報など、メーカーから情報を流してもらえなくなる可能性があります。
そんな立場だったら、わざわざ干されるのを覚悟で電気自動車を推奨する記事は書きにくいでしょう。
世の中そんなものです。自分は客観的に物事を論じていると自称する人に限って誰かの利害を背負って語っていたりするので要注意です。
もちろん私がこのブログであれこれ言ってることも客観的なわけないですというのも一応言っておきます。
私の見解ですと、UberやCrewが冷や飯を食わされたのと同じような扱いを電気自動車(EV)も受けているのでは?という見方をしています。
何が何でも電気自動車を否定したい人に限って電池・走行距離を問題にしますが、そもそも1日に300キロも400キロも毎日運転します?
電気自動車先進国の中国(という言い方すると叩かれるでしょうが)ではこんな商品も発売されてます。
43万円のEV、中国でテスラ超え 五菱製「人民の足」https://t.co/1zMyb2PAb7
「人民の足」がテスラを超えた――。10月中旬、こんな見出しが中国の経済ニュースをにぎわせた。7月に発売されたばかりの中国の小型電気自動車が、9月に2万150台を売り、EV世界最大手の米テスラを抜いたというものだった。
— 朝日新聞名古屋編集局 (@asahi_nagoya) December 1, 2020
2ちゃんねるなどで嘲笑されている中国の車ですが(おそらく「中国だから」という偏見もあると思います)、120キロ〜180キロ走れるのであれば日常生活では問題なく通勤や買い物などに使えますよね?
まぁ多分中国製の家電製品同様に故障しまくる可能性もありますので、今すぐ欲しいとは思いませんが、故障が少ないなら個人輸入で買ってもいいなと思いました。
家庭用の電源で6時間程度で充電できるのであれば、家に帰って夜寝ている間に充電可能です。日本でよく叩かれる「充電設備の不足」という問題までクリアしてます。
電気自動車の走行距離を問題にする人に抜けているのは「じゃあ毎日300キロも400キロも走るの?、毎日旅行でも行くの?」という視点です。
こういう揚げ足取りのような批判の仕方からも「電気自動車が普及すると困る」人々の焦りのようなものを感じます。
世界の流れは電気自動車(EV)へ
しかしハイブリッドを主力にしている日本のメーカーの思惑と世界の流れは逆さまなのが現実です。
まぁ、気持ちはわかります。でも、違います。ガソリンスタンドを見ても分かる通り、ステーションタイプの事業自体が既に成り立たないのです。
水素ステーションを建設しても水素自動車は普及しません。「水素ステーション」の建設進まず トヨタ新型ミライの普及に壁 #ldnews https://t.co/kCp3JaTKei
— 荻野 隆一 (@justy00) November 30, 2020
トヨタに至っては世界でほぼ唯一と言える「水素自動車」の開発にやたらと力を入れていて、電気自動車にシフトする世界の流れを無視しています。
今から水素自動車という新しい規格を世界中に普及されることができると思っているのでしょうか?
以下で世界の電気自動車化の流れを説明しますが、そんな状況ではないのが現実です。
EU(ヨーロッパ)の場合
ヨーロッパは電気自動車化への流れを急速に進めており、先ほども言ったようにノルウェーが2025年、イギリスが2030年からガソリン車の販売が禁止されるなど、もうすぐガソリン車の販売すらできなくなる国だらけです。
この流れには世界最大の販売台数を誇るフォルクスワーゲンがEV化への旗振り役として、猛烈なスピードで電気自動車化を進めているというのがあります。
日本ではまだ「e-ゴルフ」しか発売されていませんが、今後次から次へと電気自動車の新モデルが発売予定です。
デザイン面で今でも人気のワーゲンバスも2022年にはEVとして復活することが決まっています。
車に詳しい方ならお分かりでしょうが、フォルクスワーゲンは同じグループにアウディやポルシェもいますので、ヨーロッパ車の中のかなりの割合を占めています。
「ディーゼル不正で失敗したからじゃないの?」とツッコミたい気持ちはわかりますし、多分そうなのでしょうけど、世界最大の自動車販売台数を誇るフォルクスワーゲンが全面的に電気自動車化を進めているという流れを無視することはできないと思います。
アメリカの場合
世界最大の電気自動車販売台数を誇るテスラもありますが、何よりバイデン政権の誕生(選挙が不正だとかの話はとりあえず無視します)により電気自動車化の流れが急速に加速しそうです。
米大統領選でバイデン氏勝利、EV先行の日産に追い風も[新聞ウォッチ] | レスポンス(Response.jp)
気になるニュース・気になる内幕。今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。…………
確かに日本でほぼ唯一電気自動車に力を入れている(親会社のフランス・ルノーの影響?)日産にはプラスかもしれません。
世界の自動車業界が最大のマーケットとして長年争っている北米市場が電気自動車中心にシフトした場合、どれだけの影響が出るか想像できるでしょうか?
個人的にはテスラモデルSは単純にカッコいいから欲しいというのもあります。
昔iPhone3Gが日本で発売された直後にも私は「カッコいいから」という同じ理由で買ったことがありますが、この時はガラケーを使っている世の中の多数派から散々バカにされました。
今一大決心をしてテスラを購入したら(さすがに高いですから簡単には買えません)同じように扱われるかもしれませんが。
中国の場合
先日どの40万円の電気自動車に見られるように電気自動車化を猛烈なスピードで推し進めているのが中国です。人口規模を考えるとこの国が電気自動車にシフトするだけで世界にかなりの影響を与えてしまいます。
既にバスやタクシーは電気自動車化していますし、先ほどの記事のように高級車ではない電気自動車まで普及し始めているので予想以上に早く中国全体の車が電気自動車に置き換わるかもしれません。
「ガソリンエンジンで日本に勝てないからじゃないの?」とツッコミたくなる気持ちはよくわかりますし、多分そうでしょう。
おそらく日本に勝てない土俵ではなく、勝てそうな土俵で勝負を仕掛けていることは間違いないでしょう。
ただしそれがアメリカやヨーロッパの利害とも一致して世界の流れになってしまったのだから逆らえない。
逆らうなら世界中からEVを駆逐してハイブリッドを売る必要がありますが、例えばトヨタなどにそんな気概があるでしょうか?
トヨタ、中国で「C-HR」「IZOA」の量産EVモデル発売
トヨタ自動車は4月20日(現地時間)、トヨタブランドとして中国で展開する「C-HR」と姉妹モデル「IZOA」の量産EV(電気自動車)モデルと、レクサスブランドの量産EV「UX 300e」を4月下旬に発売すると発表した。
こういうニュースを見るとそんな気はなさそうなところが根性ないなと思うところです。本気で戦うなら世界中でハイブリッドや自社で必死に開発している水素自動車を売るくらいの根性見せないとと思うのですが。。。
なんてことを自動車ジャーナリストが記事書いたりしたらトヨタから嫌われて仕事もらえなくなるのでしょうね(笑)。
「EV=世界標準」「ハイブリッド=ガラパゴス規格」になる可能性
「日本オワコン」と嬉しそうに語るインフルエンサーなどもいますが、私から見ると「必ずしもオワコンではないのにわざわざオワコンな方向に進もうとしている」位の見解です。
何でもかんでも日本の悪口を言って「日本オワコンと指摘してる俺すげぇ」的なマウント取りは寒いので私は興味ありません。
実際日本の失敗した技術と言われる「ガラケー」も「Suica」も技術という面では勝っていました。
日本でしか生活していないと気づかないところですが、海外でSuicaとは違った規格のICカード(NFC Type-A)を使って改札を通ろうとすると(イギリスなどでは可能)反応が遅くて、急いでいるとバーが開くより前に自分の体がバーに触れてしまいます。
日本のSuicaの技術(NFC Type-F)はとても優秀で、朝のラッシュ時で人がごった返していても詰まることなく改札を通過できます。
でも世界標準の規格にはなれませんでした。
デファクトスタンダードという言葉がありますが、「デファクト」というのは「事実上の」という意味です。要は優秀な技術かどうかではなく、事実上世界の多くの国で採用された技術が世界標準になるというのが現実です。
電気自動車でも同じ過ちを繰り返す可能性が濃厚になってきたように思えます。
ハイブリッド車や水素燃料車も、他の国の車メーカーではできない素晴らしい技術ではありますが、世界基準の規格になれていません。
このままですとまた日本でしか通じない「ガラパゴス規格」になってしまう可能性が高いです。
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