日本でライドシェアが普及しない理由とは?【タクシーはオワコン?】

こんばんは、@kojisaitojpです。コロナ以降は移動手段のほとんどを車に切り替えた(自分なりのコロナ対策です)のが私のライフスタイルですが、本当にこれは迷惑です。

確かに「この人はプロだな」と思うタクシードライバーもたまにはいますが、二種免許持っていようが下手くそなタクシーが多いのは、自分も日々車で走っていれば分かることです。

しかもマナーも悪い。

コロナの影響により暇なのもあり、繁華街などでは道路の端の車線で大量に待機していて渋滞の原因になっています。

また暇なのが影響し、お客さんを乗せたくてわざとノロノロ運転をする悪質なタクシーも多いです。

人が歩いていたりすると急にスローダウンするので、危うく追突しそうになったことが何回もあります。

反対に交差点で信号待ちをしている時にタクシーに追突(これは10:0で向こうの責任)されたことが人生で二回あります。どちらも原因はタクシーの居眠りでした。

そのうちの一回は私に1万円渡して「警察には言わないでくれ」と頼んできたのだから呆れてものも言えません。

今日はこのように悪質な日本のタクシー業界が、UberやCrewなどのライドシェアの邪魔をしている、それによって日本ではリーズナブルなサービスが広がらない構図について語ります。

日本のUberはシェアライドではなくただの配車アプリ?

ウーバーイーツが発達したのもあり、もしかしたらウーバーが何の会社なのか分からなくなっている日本人も多いかと思いますが、元々は、

  • ライドシェア事業
  • 宅配事業

ライドシェア事業で成長した会社が、ウーバーイーツのような宅配事業を始めたいうのが正しい順番です。現在は世界各国でこの二本柱で運営されています。

ところが日本でUberを配車で使おうとすると来るのはタクシーより高額なハイヤーです。黒塗りのレクサスやヴェルファイアなどが来るのでゴージャスな気分にはなれますが、高いです。

海外でUberやLyft、Grabなどの配車アプリを利用したことのある人であれば、日本のUberが高いと感じるのは当然です。Uberに対抗して日本のタクシー会社も配車アプリをリリースしていますが、これもタクシー代に加えて配車代を請求されるので、街中で流しのタクシーを拾うより高額です。

私はアメリカへ行った際にはUberしか利用したことがないのですが、ロサンゼルスでもニューヨークでもアプリで依頼してから数分で車が来ますし、住所をアプリで入力するので説明する必要がないのでとても便利でした。

一人で単独で乗った場合もタクシーより安いですし、ライドシェアにした場合は更に安くなる(しかもUberの配車システムが優秀なので、なるべく遠回りにならないようにマッチングされる)と使用していて何の問題もなく利用できました。

例えば昨年ロサンゼルスに行った際にはアナハイムのエンゼルスタジアムで野球を観た帰りにロサンゼルスのホテルまでUberを使ったら50ドルで済みました。タクシーなら100ドルを超える距離です。

東南アジアではUberを買収したGrabという会社が主流ですが、例えばジャカルタのスカルノハッタ国際空港から私がジャカルタで必ず泊まる「エルミタージュホテル」まで800円〜1000円くらいです。

(エルミタージュホテルは私の中でぜひオススメしたいホテルなのでまたの機会に宿泊記をあげます)

同じ区間をインドネシアのタクシーであるブルーバードやシルバーバードを使うと2000円〜3000円かかります。

こういうサービスを知っていると日本でなぜ普及しないのが謎になりますよね?

日本でなぜ「ライドシェア」が普及しないのか?

海外でライドシェアを利用したことのない人だと「そもそもライドシェアって何?」という話になるので、そこから解説します。

ライドシェアは、「ライド=乗る」を「シェア=共有」することで、一般的には「相乗り」や「配車サービス」のことを言います。自家用車の所有者と自動車に乗りたい人を結び付ける移動手段として海外で発達しています。

「相乗り」とは言っても事業主体自ら(要はUberなどの会社本体)は運送せず、スマホアプリなど自らが運営するプラットフォームにおいて一般ドライバーと乗客を仲介し、一般ドライバーが自家用車を用いて有償の運送サービスを提供するのが通常です。

この分野はこの10年ほどで一気に市場が開拓された分野で、アメリカでライドシェア業界1位のUberがNYSE(ニューヨーク証券取引所)、2位のLyft(リフト)もナスダック市場に上場しています。

このサービスが日本で広まらない原因が「ライドシェアは白タク」、つまり違法だという扱いを受けているからです。

日本で自家用自動車を有償で運送の用に供することは「道路運送法第78条」に規定されており、災害のため緊急を要する場合と、市町村や特定非営利活動法人その他国土交通省令で定める者が、公共の福祉を確保するため区域内の住民の運送などを行う場合を除き禁止されています。

よく使われる「白タク」という言葉の「白」というのは、自家用車用の白ナンバー(営業車は緑ナンバー)から付けられたものです。

国土交通省の許可を得ないで自家用車が旅客の運送をすると「白タクなので違法」という言われ方をされます。

実際に、Uber社の日本法人が2015年2月、福岡市でライドシェアの実証実験を行ったところ、「道路運送法に抵触する可能性がある」と判断され、行政指導が行われ断念したことがあります。

それもあってUber社の日本法人は、アメリカのようなライドシェア型ではなく、タクシー会社に運行を委託する「ただの配車アプリ」として運営しています。

日本でも一社だけライドシェアを行っている「Crew」という会社があるのですが…。

非常に残念なライドシェア「Crew」の撤退

日本でライドシェア事業に逆風が吹いている中で、コロナ禍による利用者の減少が追い討ちをかけたのか、このような残念なニュースが出てきました。

「Crew」に関しては国土交通省が「白タクではない」と公式に認めていただけに、コロナの影響で撤退というのが非常に残念です。

Uberを利用する場合、指定されている運賃の支払いが必要ですが、CREWを利用する際には、ドライバーに支払うのは運賃ではなく「謝礼」を好きな金額支払うことができることです。

日本の法律では、ガソリン代や高速道路料金のみ支払いを請求するのであれば、無償運送の範囲で登録や許可が必要ないのです。

また運賃ではなく任意のチップ(謝礼)にすることで、「白タクではない」と国土交通省が認める営業形態でした。
(要は自分の友達などに家まで送ってもらった際に、ガソリン代にプラスして謝礼を渡すのと同じ扱い)。

安全面でも、CREWパートナーと呼ばれるドライバーは、対面で面接を受けるなど、徹底したスクリーニングにより厳選されたドライバーで、アプリにてドライバーの過去の評価を確認することが出来るシステムでした。

CREW運営側が連絡先も把握しているのでトラブルの心配もない、ドライバー側も利用者の評価を確認することが出来て、評価の悪い利用者の乗車を拒否することが出来る(海外のUberもこれと同じ仕組みで運営)など、問題が起きにくいシステムが構築されていました。

ところがコロナの影響により利用者が減少するという予想外の事態が起きてしまい、経営を続けることができなくなったようです。

ユーザーからすると日本でライドシェアのサービスを受ける機会がなくなってしまいとても残念な結末です。

まぁ政治家や国土交通省に猛烈に圧力をかけていたタクシー業界は大喜びでしょうが。実際タクシー会社の顧問弁護士のような連中はCrewの営業形態も「白タクだ、違法だ」と叫んでましたので。

弁護士のような法律の専門家が言うと正しいことのように錯覚してしまいがちですが、弁護士も顧問であるタクシー会社の利害を代表して言ってるだけですのでアテにはなりません。

タクシー業界もオワコンなのが現実

そもそも「タクシーは安全だ、ライドシェアは危ないし違法だ」的とかいちゃもんをつけてライドシェアの導入に猛反発しているのがタクシー業界です。

政治家に献金したり、業界団体として国土交通省に猛烈な圧力をかけて、日本でUberのようなサービスが普及しないようにしている元凶です。

一生懸命ライドシェアの邪魔をしているのがタクシー業界ですが、実はタクシー運転手の高齢化という別の問題も抱えています。

東京のような大都市は別としても、地方都市ではすでにタクシー運転手が高齢となって引退してしまったなどの事情によりタクシーが不足しています。

それにより徐々にライドシェアのようなサービスを認めざるを得なくなっている例もこのようにあります。

それに素朴な疑問で、タクシーが儲からなくなったらタクシー運転手も自家用車でライドシェアやればいいのにと思ってしまいます。

競争が起きることで、未熟なタクシーが淘汰されれば質が上がるきっかけになるはずなのに、現在のように規制と業界団体に守られた、冒頭に述べたような悪質なタクシーが偉そうにしているのが現状です。

海外の事情を知らないと、今のようにタクシーを利用するのが当たり前だと思ってしまうのが怖いところです。

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