お腹を抱える女性たち

更年期障害と似ている更年期うつ病について

更年期うつ病は更年期障害と症状が似ているため、発見が遅れることのある疾患です。
しかし男性より女性の方が、1.5から2倍程度、うつ病になりやすい傾向があるため注意が必要です。
また更年期うつ病の原因として最も多く見られるのが、環境や立場の急激な変化です。
もちろん閉経によるホルモンの乱れも原因の一つですが、それよりも長く勤めていた会社を退職したり、逆にこれまで専業主婦だった人が、初めてパートに出たりという変化がきっかけになることが多いです。

また子供の独立で、母親というアイデンティティが失われるという心の変化も、うつ病を引き起こします。
さらに、夫を亡くして家長としての責任が生まれる場合や、身近な人を亡くす喪失感、親の介護による疲労などもうつ症状を引き起こします。
さらに被害妄想に陥ったり、ひどい自己嫌悪を感じたりする人もいます。
重症になると、絶望感から不眠や食欲不振の症状が現れることもあります。

そのため早期発見と早めの治療が必要ですが、自分では更年期障害と勘違いしてしまうケースがよくあります。
特に元々不安になりやすい性格の人や、過去にうつ病と診断されたことがある人は、更年期うつ病になりやすいです。

また更年期障害と診断されて、婦人科で内服薬を処方されているのに良くならない場合は、更年期外来を受診することが望ましいです。
婦人科の薬を2週間以上飲んでいても、不眠や食欲不振、被害妄想などが改善されない場合は、自分一人で抱え込まずに医師に相談するようにします。
そのままうつ症状を我慢して生活していると周囲の人々にも負担をかけることになり、家族にもストレスになります。
しかし自己判断をせずに、医療機関で症状を詳しく話せば、早期発見と回復につながります。

そして親しい人に、つらい気持ちを聞いてもらうことも大切です。
心理的な原因から発病するうつ病は、風邪のような病気とは違ってわかりにくいため、周囲に症状を説明することが重要です。

更年期うつ病の治療方法を知っておこう!

更年期障害ではない更年期うつ病の場合でも、ホルモン補充療法という投薬による治療方法が行われています。
これは主に閉経によって減少した女性ホルモンを補うという治療法で、人によっては早い時期に効果が見られます。
特にホルモンバランスの乱れが原因の更年期うつ病の場合は、有効です。

ただし長期間服用を続けることによって、乳がんになる率が高まるため、継続してホルモン補充療法を受けることは危険です。
また乳がんになるリスクがない治療方法として、抗不安薬による治療も行われています。
特に心理的な要因が多く、喪失感や自己嫌悪、絶望感などが強く見られる場合には、抗うつ薬も処方されます。

さらに環境の変化に伴う本人の考え方が原因になっている場合は、認知行動療法という治療が有効です。
この治療法では薬は使わす、本人の考え方や行動を修正して、うつ病にならない心を作っていきます。
多少時間がかかりますが、根気よく認知行動療法を続けていけば、食欲不振や不眠も自然と改善されていきます。
しかし認知行動療法は、全ての医療機関が行っている治療法ではありません。
そのため投薬治療を受けたくない場合は、更年期外来を受診する前に聞いておくと良いです。

その他、たまには家事を休んでゆっくり過ごしたり、好きな趣味を楽しんだりすることも大切です。
睡眠を十分取ることは重要ですが、眠れない場合は睡眠薬も有効です。
特に寝てもすぐに目が覚めてしまう早期覚醒の症状がある場合は、医師に薬を処方してもらうと改善されます。
ただし、ドラッグストアなどで自己判断で睡眠薬を購入することは控えるべきです。
またどんな症状でも、それを更年期のせいにせず、しっかり医療機関で治療を受けることが早期の回復につながります。